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人・鳥・社会の幸せのために

挿し餌について

はじめに
挿し餌に関しては賛否両論があると思います。以下のレポートは実際にあった悲しい出来事です。私も似たような経験があります。現在体験したことをまとめていますので、後日レポートしたいと思います。(松本)

挿し餌について

マイケル・ダウテル

テイラー
私の生後18週になるヨウムのテイラーは、突然、私の腕の中で亡くなりました。可愛い子、安らかに眠って。私たちが約1ヶ月前にこの小さな宝物を手に入れたとき、初めての健康診断でバクテリアが出ていることが発覚したので獣医師に指示されたように直ちに抗生物質の投与を始めました。

テイラーはこの治療に順調に反応しているように見られましたし、特に問題になるような症状も見うけられませんでした。反対に、彼をペットストアで見た時の様子に比べるともっと健康的に見えました。

彼を家に連れて帰ってから1週間後、私は注射器で彼にフォーミュラを給餌したのですが、そのフォーミュラが熱すぎたために彼のソノウに火傷の穴を作ってしまいました。

雛の挿し餌をするのは今回が初めての経験で、私たちはただ単に何も知らなかったのです。すぐに治療をし、2~3日後には火傷の穴も縫われ、他に目につく問題もありませんでした。

傷口も綺麗に閉じ、膨張したり、問題になるような症状も見られず、家族にも馴れて幸せで健康な鳥に見えました。


今朝、彼は食欲がなく、少し無気力に見えました。これは私たちが昨夜遅くまでテレビを見ていたので、テイラーはいつものように睡眠時間が取れなかったのが原因ではないかと考えました。少し食べ、自分の止まり木に戻り、朝の居眠りの準備をしているようでした。

私たちは雑用を済ませるために、数時間家を留守しましたが、私たちが戻ったとき、テイラーはケージの底で寝ているかのように見えました。しかし彼は全く不活発で、いつになく静かだっため獣医師に電話をかけました。テイラーをケージから出すとき、私たちの留守中に彼が吐いたものが眼に入りました。

獣医師はテイラーを連れてくるように指示し、私たちもそうし、獣医師は血液のサンプルを取り、安定させるために抗生物質の注射を打ちました。獣医師の指示通り、彼を暖めて安静にしていました。テイラーの体重は私たちが給餌を止めてから約1週間で350gから314gに落ちてしまいました。

私のシャツにすり寄り、頭を私の首もとにうずめ、暖を取るためにタオルをかけられた彼を家に連れて帰りました。家に着いたとき、妻は犬に餌を与え、私はそのままの状態で椅子に座わりました。

テイラーが身体を動かしたので妻と交代しようと思い私の胸から彼を離そうとしたところ、彼はバランスが掴めず、数秒間私の手の中でよろめき、その後頭ががくりと下がり、亡くなりました。


私は私たちが彼にした事、又はしなかったこと、が彼を死に至らしめたのかどうかが知りたいと思っています。私たちの家や心に他のヨウムを迎えることはできますが、まず最初にテイラーの死から必要な事を学ぼうと思います。それから情報を集め、次にどこから鳥を迎入れるか注意深く、慎重になろうと思います。

こんなに悲しい話を皆さんと分かち合うのは辛いことですが、これを書くことによりテイラーの死を受け入れることができそうです。 聞いて下さり、ありがとう。私たちのためにも皆さんの鳥におやすみのキスをしてあげてください。


アシュリー
テイラーの悲惨な体験と、不必要に苦悩を強いられた他の鳥たちが、私のこの問題に対する情熱を語らせる気にしました。

彼女の名前はアシュリー。生後10週のヨウムの雛で、私の無知と冷淡で、無責任な倫理を持った繁殖家がこの仔を殺してしまったのです。これは数年前の事ですが、この可愛く、無力の仔を2週間も苦しませていたという事実が私を今でも苦しめます。

私たちがコンパニオンとしてのパロットにのめり込んだのは、オカメインコとトガリオインコを救出し、これらの鳥と暮らす愛情と喜びに目覚めてからです。それから地元のバードフェアに行くようになりました。神様、バードフェアには危険が溢れかえっている事を知らずに行っている人たちをどうかお守り下さい。


一目で私の心を奪い、購入したいと思わせた生後6週間になるアシュリーに出会ったのはバードフェアでした。

ジョシーも仕事を持ち、私もよく出張していますので、後4週間待ち、挿し餌が1日2回になってから家に迎えることにしました。一人餌になるまで挿し餌をしてあげると鳥との絆が強くなると繁殖家に言われました。今では私も賢くなりましたから、もちろんこれが利益のみを求めての発言だとわかります。

アシュリーを家に連れて帰る前に1回だけ挿し餌のレッスンのために繁殖家を訪ねましたが、それはどうやってフォーミュラを混ぜるか、どうやって食べさせるか、を見せてくれただけで、挿し餌は1回しかさせてくれませんでした。

温度計の話は出ませんでしたし、ソノウに関する問題や体重の計量の必要性は全く話に出てきませんでした。フォーミュラの混ぜ方、腕で温度を計り、注射器で餌を与えるという説明に留まりました。後に私は、このサイズや年齢の鳥に注射器で餌を与えることが嫌いになりました。


私たちはこの喜びの種を家に連れて帰り、挿し餌を始めました。私は非常に嬉しく、自分で挿し餌をしたがりました。繁殖家で見たものと同じような濃さのフォーミュラで、私の腕に熱すぎない、という指示に従って。

アシュリーは少し食べ、止まり、また少し食べ、そして少し吐き戻しました。繁殖家との電話で、これは挿し餌の過程でよく見られるから大丈夫だ、と納得させられました。ですから私たちは挿し餌を続けたのです。

アシュリーはフォーミュラをだんだん食べなくなりましたが、1日2回の挿し餌ということもあり私たちは、アシュリーは自分で一人餌になろうと努力しているものと思っていました。

アシュリーはそれほど行動的ではなく、いつもケージの底のほうにいました。私たちは雛を飼ったことがなかったので、きっと一人餌になるまではこんな調子なんだと思い、大して心配することはありませんでした。

アシュリーは毛布に包まり私が静かに話しかけるのを首元にすり寄り、可愛らしく聞いていました。私が撫ぜてあげると静かになり、それが私を更に虜にしました。ケージにいる時はたくさん甘えた声を出しましたが、私たちは、それはただケージの外に出たいためにしていることだ、彼女はまだ雛だからこれは雛特有なんだ、と思っていました。


この状態が2週間続き、アシュリーはだんだんフォーミュラを食べなくなり、もっとたくさん吐き戻しをするようになりました。彼女のケージに入れてあげていた他の多くの餌も食べられていなかったことには私は気付きもしませんでした。

更に、私たちはアシュリーの体重を量らないといけないことを知らず、彼女の体重が急激に減っていることも知りませんでした。その上、私たちはアシュリーが食べるより多くの量を吐き戻していた、ということにも気付かなかったですし、糞から鳥の状態がわかることも知らなかったのです。糞の状態や色も悪かったのです。雛を飼ったのはアシュリーが初めてで、私たちは繁殖家に相談していたのです。

私たちの知識とはこの期間に何度か電話をした繁殖家から教えてもらったものだけでした。「大丈夫ですよ。彼女は元気になります。新しい環境に慣れようとしてるんですよ、等など。」

亡くなる前夜、彼女はケージの底にうつむいてほとんど動かなくなり、糞は黄色く、形は全くありませんでした。


次の日、私は開院前に病院へいきました。それまでにアシュリーは完全に弱っていましたが、呼吸をしていました。獣医師は彼女を一目見るなり私の腕から彼女を奪い、診療室へ連れて行きました。

彼女の状態を心配しながら1時間ほど待ちました。獣医師が診療室から出てきて、その表情からすぐ何かが起こったということがわかりました。私はまだ心の準備が出来きておらず、聞きたくないことを聞かされました。

アシュリーを安定させようと治療をしている間に彼女は亡くなったのです。私は泣きました。私が少し落ち着いたところで、獣医師は時間を取り、私が与えていたフォーミュラの温度がどうであったかを聞きました。私はどのようにしてフォーミュラの温度を計っていたか説明すると、きちんと温度計を使っていたらよかったのに、と彼女は言いました。

解剖をして死因を調べましょうかと言われましたが、アシュリーの症状はソノウ火傷とそれが原因の併発症のものでした。今思えば解剖してもらったほうがよかったのですが、私は解剖を断りました。私がやりたかったことはアシュリーを家に連れて帰り、埋葬し、もう少し悲しみにくれることでした。アシュリーを埋葬し、彼女の名前を書いた板を建ててあげました。


死因解剖は行われませんでしたが、私が熱すぎるフォーミュラを与えたために彼女を殺してしまったことは確かです。

その時は気付きませんでしたが、私は痛みに耐えることができるため、熱の温度を正確に感じることができなかったのです。私が暖かいと思うことは、一般的には熱いのかもしれません。

この出来事の少し後、私はデジタル温度計を購入し、アシュリーのために作ったようにフォーミュラを作り、彼女に食べさせていた時と同じように腕にフォーミュラを付けて温度を計りました。温度計は華氏118度(摂氏約48度)を示していました。

おわかりですよね。私は2週間もの間、私の無知からこの小さな無力な命をゆっくりと苦しめていたのです。

ケージの中で甘えた声を出していたのは、私が彼女を苦しめている間中彼女は空腹で死にそうだったからでしょう。 私の首もとに静かにすり寄っていたのは、助けを求めていたためで、私はその声を聞いていなかったのです。

アシュリーは、私がこの問題に対して情熱的になってしまう原因なのです。

(初公開:2000年)
無断転載・掲載厳禁

この情報は公開した当時の状況に基づいて執筆されています。現在の状況にそぐわない記述がある可能性があります。予めご了承ください。



by soushi914 | 2001-06-15 18:25 | 海外レポート

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